うつネコとハムスター「うつ病は心の骨折」〜銀座新橋日比谷有楽町・心療内科マンガ
◆うつネコとハムスター「うつ病は心の骨折」
◆「うつ病は心の骨折」解説
「うつ病は心のカゼ」。
そんなフレーズを聞いたことはありませんでしょうか。
おそらく「特別な病気ではなく、誰もがかかりえる病気で、だからあまり重く考えず、気軽に受診しましょうね」という意味で作られた言葉だと思います。
非常にライトな言葉で、決して悪くないと思うのですが、ただ同時に「カゼと同じならば、放置すれば治るのでは?」という誤解を生んでしまう可能性もあります。
もしそう感じているのなら、一段認識を改めましょう。
うつ病は、心の骨折です。
放置することで、炎症が起こったり、またはいつまで経っても治らず、どんどん悪化してしまう可能性もあります。
とにかく早めに受診することが重要なのです。
ちなみに「うつ病は心のガンだ」という、さらにディープな言い方も耳にしたことがあるのですが、精神科医である自分的には、さすがにガンは言い過ぎではないかと思います。ガンは放置すると転移のリスクがあり、それだけで死につながってしまいますが、さすがにうつ病単独で死ぬことはありませんので(もちろん自殺するリスクはあるのですが、だからといってガンほどの致死率ではありません)。
くわえてガンは「完全に取り除く」ことが最重要の治療ですが、うつ病は「悪い部分を完全に取り除く」ということはできません。考え方、育ち方などで心の仕組みはできあがっており、それこそ洗脳のように何かを取り除くなんて不可能です。それよりは、たとえばうつになりやすい思考があれば、その「捉え方」をうまく調整することで、生活で問題がないようにバランスを変えていく…というのがベストではないかと思います。
そういう意味でも、ガンとは違いますね。
何にせよ、「うつ病は心の骨折」くらいが、かなり絶妙なバランスの表現なのではないかと考えます。
骨折してしまったら整形外科に行くように、心に不調を感じたら心療内科に行くことをお勧めします。
(完)
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ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。